カルシウムにはコレステロール同様に善玉と悪玉がある
厚生労働省の国民栄養調査で数十年に渡り不足している栄養素がカルシウムです。 このため、カルシウム補給を目的とした補助食品がたくさん市販されていますが、どんなカルシウム補助食品でも骨が出来て、健康を保つ補助が出来るかというとそうではありません。 カルシウムにも、善玉カルシウムと悪玉カルシウムがあるのです。
善玉カルシウムの継続摂取で骨が再生
(福島整形外科のレントゲン臨床例に見る)
カルシウムが体内吸収する機序
カルシウムの研究
カルシウムイオン(Ca2+)はセカンドメッセンジャーとして様々な生理応答に関与する。「細胞」は、無機イオン(Na、K、CaやClイオン等)を含む水溶液でその内部も周囲も満たされており、この無機イオンの中でもカルシウムイオン(Ca2+)は、筋肉の収縮や神経伝達物質の放出等、様々な生体機能の引き金となる。また、細胞の増殖、生存や死といった、恒常性の側面においても、細胞を調節することが注目されている。
細胞を包む形質膜におけるイオンの「通り穴」であるイオンチャネル、無機イオンを含む様々な物質を輸送するトランスポーターであり汲み出しポンプであるが、Ca2+流入を担うタンパク質分子であるCa2+チャネルの果たす多面的役割を理解する研究を行っている。
セカンドメッセンジャーとしてのカルシウムイオン
細胞内での情報伝達分子としての地位をCa2+が得たのは,江橋による骨格筋の収縮・弛緩の研究以降である。骨格筋におけるCa2+結合蛋白質としてトロポニンCの発見は,重要なものであった。さらに垣内による脳組織中のフォスフォジエステラーゼ活性化因子としてカルモジュリンの発見を契機に,続々とCa2+結合蛋白質が発見され,Ca2+の重要性がますます注目されるようになってきた。Ca2+は細胞膜上のチャネルを介して細胞内へ流入するのみならず細胞内のCa2+貯蔵部位より,IP3依存的に,あるいはCa2+依存的に放出される機構が明らかになるに従って,Ca2+のダイナミックな動員のメカニズムが解明されつつある。
細胞内のカルシウム濃度を一定に保つメカニズムを解明
~ジスルフィド還元酵素が、貯蔵庫へのカルシウムの出入りを制御~
小胞体のカルシウム濃度の制御に関わる、小胞体上のカルシウムポンプの調節因子を同定した。 小胞体内腔のカルシウム濃度が低下すると、調節因子がカルシウムポンプの(カルシウム)取り込み活性を促進し、巧みに濃度を一定に保っていることを明らかにした。 カルシウムポンプ調節因子の機能不全によって引き起こされる発がん、皮膚異常角化(ダリエー病)や精神疾患などの治療法の開発に繋がることが期待される。
カルシウムイオンの働き
カルシウムパラドックスについて
カルシウムが不足すると、血液中のカルシウムが増えるという不思議な現象のことをカルシウム・パラドックスといいます。 パラドックスとは逆説という意味です。 カルシウムの殆どは骨に貯蔵されますが、僅か1%程度は血管などの細胞で使われ、心臓の筋肉や脳の神経細胞の働きをコントロールしるなど、生命維持にとても重要な役割をします。しかし、カルシウム摂取量が不足してしまうと、体が危機感をおぼえ、副甲状腺ホルモンを分泌させて骨からカルシウムを取り出し、体内(細胞)に補給するのですが、カルシウム不足が続くと骨からの補給量が増加し、結果として血液中のカルシウム濃度を高めてしまいます。生命維持に欠かせない現象なのですが、カルシウムの血中濃度が上がると、カルシウムが血管壁に取り込まれ、壁を収縮させ血液の流れを悪くします。すると心臓はより強い力で血液を送り出そうとすることから、結果として血圧を上昇させてしまい、高血圧になりやすくさせてしまいます。
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